マフラーに向く糸の選び方
①ちくちくは「繊維の太さ」で決まる
ちくちくの正体は、繊維の先端が肌を押す感触です。繊維が細いほど曲がるので刺さりません。メリノ・エクストラファインメリノ・アルパカ・キッドモヘヤは細い部類。同じウール100%でも、素朴な毛質の糸は首に直接だと刺さります。「セーターは平気でもマフラーは無理」はここが理由です。
②伸びると垂れる
マフラーは自分の重さで下に引っぱられ続けます。伸びやすいアクリル100%や重い綿100%は、使ううちに長くなって幅が細くなります。ガーター編みやリブ編みなど、縦に縮む編み地を選ぶか、きつめに編んでください。
③糸量が多い
幅20cm×長さ150cmは、面積で言うとセーターの前身頃1枚ぶんに近い量です。途中で買い足すと染めロットが変わるので、**最初にまとめ買い**してください。1玉が長い糸(200m前後)だと、玉の継ぎ目が減ってきれいに仕上がります。
④落ち感(ドレープ)
巻いたときに首に沿うかどうかです。アルパカ・モヘア・シルク混は落ち感が出ます。麻・和紙・レーヨンはコシが強く、巻いても浮きます。夏のストールなら長所ですが、冬のマフラーには向きません。
素材別の特徴
| 素材 | ちくちくしにくさ | 暖かさ | 落ち感 | 軽さ |
|---|---|---|---|---|
| アルパカ混 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| モヘア(キッド) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| メリノウール | ○ | ◎ | ○ | ○ |
| シルク混 | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| ウール×アクリル混 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 素朴なウール100% | △ | ◎ | △ | ○ |
| アクリル100% | ○ | ○ | △ | ○ |
| コットン(綿) | ◎ | ✕ | △ | ✕ |
| 麻・和紙・レーヨン | △ | ✕ | ✕ | ○ |
◎○△✕ は素材の一般的な傾向からの目安で、商品ごとの実測ではありません。綿が「ちくちくしにくさ◎」なのに全体では向かないのは、暖かさと軽さで落ちるためです。1つの◎だけで選ばないでください。
部位別に考える
幅(作り目)
20〜25cmが定番。細めが好みなら15cm前後。作り目の数はゲージ×幅で決めます。幅を広げるほど糸量が比例して増えます。
長さ
150〜180cmが大人の標準。ひと巻きなら140cm、二重に巻くなら180cm以上。身長より少し短いくらいが目安です。
編み地
ガーター編みと2目ゴム編みは縦に縮むので垂れにくく、裏表も出ません。メリヤス編みは端が丸まるので、両端に3〜4目のガーターを入れます。
フリンジ
付けるなら1本20cm前後を折り返して結びます。全体で30〜50mほど余分に要ります。玉数の計算に入れてください。
必要な毛糸の量・玉数
| サイズ | 必要な糸の総量(目安) | 例:50g/100m の糸 |
|---|---|---|
| 細め(幅15cm×140cm) | 約250〜320m | 並太40g110mなら 3玉 |
| 標準(幅20cm×160cm) | 約380〜480m | 並太40g110mなら 4〜5玉 |
| 幅広(幅25cm×180cm) | 約520〜650m | 並太40g110mなら 5〜6玉 |
| 極太でざっくり(幅20cm×150cm) | 約200〜280m | 極太40g50mなら 5〜6玉 |
ゲージと編み地で変わります。ガーター編みはメリヤス編みより2割ほど多く使います。フリンジを付けるなら30〜50m足してください。総メートル数で見て、1玉ぶん余裕を持って買うと安全です。
よくある失敗と対策
| 失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 首がちくちくして使わなくなった | 繊維が太い羊毛が素肌に当たっている | メリノ・アルパカ・キッドモヘヤ・シルク混に変える。編む前に、糸を首に当てて数分置いてみると分かる |
| 使ううちに長く細くなった | 自重で伸びた(アクリル100%・綿100%に多い) | ガーター編みか2目ゴム編みにする。きつめに編む。伸びにくい素材へ変える |
| 端がくるくる丸まる | メリヤス編みの性質 | 両端に3〜4目のガーター編みを入れる。またはガーター編み・ゴム編みで全体を編む |
| 途中で色が変わった | 染めロットの違う玉を買い足した | 最初に必要玉数をまとめ買いする。足りなくなったら、両端から交互に編んで差を目立たなくする |
| 重くて肩がこる | 綿100%や太い糸で幅を広く取った | アルパカ・モヘアなど軽い素材にする。幅を20cm以下にする |
マフラーにおすすめの毛糸
マフラー向きの毛糸を見る(全29件・あと23件)
適性は素材特性からの推定値です(実使用レビューとは区別しています)。
指定の糸が手に入らないとき
各毛糸ページの「代替糸の候補」から、太さ・素材・1gあたりの糸長が近い糸を探せます。指定の糸が手に入らないときは、太さ(m/g)と繊維の細さを合わせれば置き換えられます。ウール100%からアルパカ混への置き換えは、暖かさが上がって軽くなる方向なので失敗しにくい組み合わせです。
よくある質問
- マフラーは何玉あれば編める?
- 幅20cm×160cmの標準サイズで総380〜480m。並太40g110mなら4〜5玉が目安です。ガーター編みは2割ほど多く使います。
- ちくちくしない糸はどれ?
- 繊維が細いものです。アルパカ・キッドモヘヤ・エクストラファインメリノ・シルク混。編む前に糸を首に数分当ててみると確かめられます。
- アクリル100%でもいい?
- 洗えて安価なのは利点ですが、自重で伸びて長く細くなりやすいです。ガーター編みかゴム編みで、きつめに編んでください。
- 初心者はどの編み方から?
- ガーター編み(全部表目)です。裏表が無く、端が丸まらず、垂れにくい。まっすぐ編むだけで形になります。

